犬が仮病を使うという話を聞いたことがある飼い主さんもいるでしょう。
体調が悪そうだったのに、おやつを見せたら元気になったり、痛くないのに足を痛がって抱っこを催促したりと、犬の仮病を経験した飼い主さんもいるのです。
この記事では、犬は仮病を使うのかや、仮病の理由、仮病と病気の見分ける方法を解説します。
愛犬の仮病や病気へ適切に対処するためにも、参考にしてくださいね。
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犬が仮病を使うかどうかははっきりしていない
犬が仮病を使うかどうかは科学的な証拠はなく、意図的に仮病を使っている可能性についてはっきりしていません。
犬がわざと仮病を使うのは珍しいため、見かけたことがない飼い主さんの方が多いでしょう。
仮病を使っているように見える理由には、前にこの行動をしたら優しくしてもらえたと学習し、同じような仕草をしたと考えられます。
例えば、食欲がなくフードを食べられない場合に、おやつを与えると、「フードを食べずに待ったらおやつが貰える」と学習するでしょう。
犬は、仮病を使っているように見えて、おやつを貰うための行動をしているだけなのです。
ただし、本当に体調不良や病気を患っている場合もあるため、細かなサインに気付き、獣医師に相談する必要があります。
仮病かどうかを見分け、適切な対応が必要です。
犬が仮病のように見せる時にする行動
犬が仮病のように見せる時に、次のような行動があったという実体験が寄せられています。
- やたらと抱っこして欲しがり、飼い主から離れられない
- ふてくされて具合が悪そうに寝ている
- 散歩で歩き疲れて足が痛そうにアピールする
- もう一匹が寝込んでいるから、「私も辛い」と同じように寝込んでアピールする
これらの仮病のように見える行動は、「今寝込んだら優しくしてもらえる」といった、これまでの経験が関係しています。
苦手な散歩やお風呂などを回避できたり、優しくされて嬉しかったりと、愛犬にとって都合がよかったのでしょう。
本当に体調不良の場合もあるため、見分けてあげる必要がありますね。
犬が仮病を使う心理・理由
犬が仮病を使う心理や理由は、次の3つのように考えられます。
- 飼い主の気を引きたいから・心配して欲しいから
- 優しく接して欲しいから
- したくないことをしなくて済むから
それぞれ詳しく解説するので、愛犬にどれが当てはまるか考えてみましょう。
飼い主の気を引きたいから・心配して欲しいから
飼い主の気を引いて甘えたり撫でて欲しかったり、心配して欲しいから、仮病を使うと考えられます。
飼い主が忙しくて構ってあげられない時などは、いじけた様子で自分の寝床に戻ったり、呼んでも無反応だったりと仮病を装うケースが多いです。
長時間放置すると不安にさせてしまい、信頼関係も崩れる可能性があるので、適度に構ってあげると良いですね。
優しく接して欲しいから
優しく接して欲しいから、仮病のように見せるケースも考えられます。
これまで体調不良だった時に、心配して優しくしてくれたと学習していれば、同じように装い、仮病の可能性もあるでしょう。
また、多頭飼いで一匹が足を引きずっていて、抱っこしてもらっていると、他の犬は足が痛くないのに痛いふりをする可能性もあります。
ただ、本当に痛くて痛がっている可能性もあるため、犬の行動やサインをよく観察し、適切なケアや愛情の提供が大切です。
したくないことをしなくて済むから
犬にとって苦手で、したくないことをしなくて済むように、仮病を使うケースも考えられます。
例えば、散歩やお風呂などに行きたくない場合、その場から動かなくなったり、体を痛がるそぶりを見せたりするでしょう。
以前に同じような行動をとり、散歩やお風呂を回避できたと学習していれば、仮病のように行動すると考えられます。
犬の仮病を見分ける方法
犬の仮病を見分けるには、次の3つの方法があります。
- おもちゃやおやつで誘惑してみる
- 以前にも同じ仕草を見せている
- 部屋を犬だけにして観察してみる
適切な対応をするためにも、上記の方法で病気か仮病か見分けられるようにしましょう。
おもちゃやおやつで誘惑してみる
やりたくないことに直面して、じっと動かないケースがあれば、大好きなおもちゃやおやつで誘惑してみて反応を見ましょう。
仮病の場合は、大好きなおもちゃやおやつを見て、関心を示して興奮すると考えられます。
一方で、いつもは喜ぶのに何をやっても反応がない場合、本当に病気になっている可能性もあるため、獣医師に相談しましょう。
以前にも同じ仕草を見せている
以前にも同じ仕草を見せているのであれば、仮病の可能性があります。
犬は経験から学び、行動する生き物です。
体調が悪くて寝込んだのを思い出し、散歩に行きたくないときに寝込んで仮病を装うような行動を見せる可能性があります。
一方で、初めて具合が悪そうに寝込んだり、足を引きずったりする様子があれば、本当に体に不調があると考えられるため、獣医師へ相談しましょう。
部屋を犬だけにして観察してみる
部屋を犬だけにして観察してみると、飼い主の前とは違った行動をする可能性があります。
飼い主の前では寝込んでいても、犬だけになると歩けるようになったり、おもちゃで遊んだりしているかもしれません。
本当に体調が悪いと、飼い主がいなくても寝込んでいる可能性があるため注意して観察しましょう。
犬が本当の病気の時に見られる症状
犬が本当の病気の時に見られる、主な症状は次のとおりです。
- 嘔吐や下痢
- 食欲不振
- 元気がなく無気力
- 大好きなおやつやおもちゃに反応しない
大好きなおやつやおもちゃに反応しない場合や、嘔吐・下痢のように明らかに不調の症状がでている場合、病気が想定されます。
また、いつもは体を触っても嫌がらないのに、少し触っただけで痛がったり嫌がったりするのであれば、体に不調があると想定できるでしょう。
日頃からサインを見落とさないようにするには、愛犬をマッサージしたりくまなく触ったりして、コミュニケーションをとるのがおすすめです。
いつも同じように触らせてくれるのであれば、特に問題ないですが、痛むようであれば何かサインがあるでしょう。
体調不良のサインを見落とさないように観察すると良いですね。
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まとめ
犬自身には仮病を使っているという感覚はありませんが、これまでに「これをしたら優しく構ってもらえた」というような経験から、仮病にみえるような行動をとっている可能性があります。
犬は経験から学ぶ生き物です。
食欲がない時に、ご飯を食べなかったらおやつを貰えるといった、悪知恵も学習できます。
不調を訴えるような行動が初めてであれば、本当に体調が悪い可能性もあるため、日頃からよく観察して愛犬のサインを見逃さないようにしましょう。