- 手作りご飯のメリットとデメリット
- ご飯を手作りする際に注意すべきこと
- 犬の手作りご飯レシピブログ集
- 各病気毎の使うべき食材と避けるべき食材
- おすすめ:ドッグフード総合ランキング
最近、愛犬に手作りご飯を食べさせているという飼い主さんが増えてきました。
しかし、食事を手作りしてみたいとは思いつつも、なんとなくハードルを高く感じて挑戦できずにいる飼い主さんも多いのでは?
また、手作りご飯を推奨している方がいる一方、素人がご飯を手作りすることへの危険性を訴える専門家や獣医も多く、どちらがいいか悩んでいる方も多いと思います。
今回は、犬の手作りご飯を始める前に知っておくべきメリット・デメリットや危険性、安全で簡単な作り方を紹介しているレシピブログ集や病気別おすすめレシピなどをご紹介します。
この記事を読めば、愛犬のための手作りご飯を始める前に知るべきことの全てがわかるでしょう。
【獣医師監修】ドッグフードおすすめランキング|人気137種の評判&安全性を比較
最近、わんちゃんの食事にドッグフードではなく手作りご飯をあげるのが流行っていますよね!
ハチにもご飯を手作りしてあげたいと思っているんですが、はじめる前に知るべきことはありますか?
人気ドッグフードのモグワンですら「手作り食のような美味しさ」を売りにしていますから、それほど手作りご飯への意識が高まっているということでしょう。
ただ、犬の手作りご飯はメリットももちろんたくさんありますが、デメリットや注意点もあるので安易に始めるのは危険もありますよ!
今日は、手作りご飯のメリットやデメリット、病気のわんちゃんの場合など、手作りご飯を始める前に知るべきことの全てをみていきましょうか。
犬の手作りご飯とは?ドッグフードなどの餌との違い
犬の手作りご飯とは、新鮮なお肉やお野菜を使用し、飼い主さんが愛犬のために手作りした食事のことです。
ドッグフードを手作りする最大のメリットは、食材や作り方によって、栄養バランスやカロリー、量などを調整できること。
元気なわんちゃんはもちろんですが、ドッグフードの食いつきが悪くなったシニア犬や、腎臓や心臓などに病気のあるわんちゃんにも多く取り入れられています。
またご飯を手作りすることで、愛犬に対しても私たち人間と同じように愛情たっぷりの、安心安全なご飯を食べさせてあげることができますね。
このように一見、いいことづくめのように感じる手作りご飯ですが、素人が犬の食事を作ることを全面的に反対している獣医や専門家もいます。
なぜなら、栄養バランスや食材、与え方を誤ってしまうと、愛犬の健康のために始めたはずの手作りご飯がかえってわんちゃんの健康を脅かしてしまうことにもなるからです。
安易に始めるのではなく、きちんと愛犬に必要な栄養バランスや適切な量、与えるべき食材や逆に使用してはいけない食材など、を把握する必要があります。
「手作りご飯が犬には1番いい」というのは、「正しい知識をもった上で愛犬にとって良い食事を作れる」という前提のうえで成り立つことなのです。
愛犬の食事を手作りご飯にするメリット・デメリット
続いて、愛犬用手作りご飯のメリット・デメリットをみていきましょう。
手作りご飯を愛犬に与えるメリット
まずは、愛犬の食事を手作りご飯にした場合のメリットです。
- 100%無添加のものを与えられる
- 何を食べているか把握できる
- 新鮮な食材をあげられる
- 食いつきがいい
- 食材からの水分を摂取でき、犬本来の食生活に近い
- 涙やけやアレルギー、口臭・体臭や便の状態、病気などの改善
- カロリー調整が自由自在
それぞれの理由や内容を簡単にみていきましょう。
①100%無添加のものを与えられる
手作りご飯を愛犬に与える最大のメリットは、保存料や酸化防止剤などの添加物や農薬などの危険物質を排除できることでしょう。
一般的に流通している多くのドッグフードには、保存料や酸化防止剤、着色料や香料などの人工添加物が含まれています。
また、ひどいものでは人間の食べ物としては許容されない量の農薬が含まれた食材が使用されている場合もあります。
これらは、製造・販売する人間の都合だけを優先して使われているもので、わんちゃんにとっては毒でしかありません。
手作りご飯にすればこれらの危険や不安を完全に断ち切ることができるので、安心安全です。
②何を食べているか把握できる
ドッグフードは原材料に「何が使われているかわからなくて不安」という声も多くききます。
表示されている原材料をみても、「○○副産物」や「酸化防止剤」、聞きなれないカタカナなど、普段の生活で馴染みがなく何か結局わからないものも多いですよね。
手作りご飯であれば、飼い主さんが自ら選んだ食材だけを愛犬に食べさせることができるので安心です。
③新鮮な食材をあげられる
新鮮な食材を与えることができるので、食材に本来含まれている栄養素や酵素も効率よく摂取することができます。
④食いつきがいい
新鮮な食材を使用し、さらに作りたてを食べさせることができるので、香りや味の嗜好性も高く、ドライフードよりも食いつきがいいわんちゃんが多いです。
⑤食材からの水分を摂取でき、犬本来の食生活に近い
ドライフードに含まれる水分は10%以下なので、わんちゃんの水分摂取は水だけの場合が一般的です。
しかし手作りご飯であれば食材からも水分を摂ることができるため、犬本来の食生活に近く、水を飲まないわんちゃんにもやさしいです。
⑥涙やけやアレルギー、口臭・体臭や便の状態、病気などの改善
手作りご飯は添加物を一切含まないため、添加物の摂取が大きな原因といわれている、涙やけやアレルギーの改善が期待できます。
また、100%無添加の新鮮な食材のみを食べることで腸内環境が整い、口臭や体臭、便の状態の改善にも繋がります。
さらに、重い病気にかかっていたわんちゃんが手作りご飯によって劇的に症状が改善したとの例も多数あります。
日々の食事が無添加であることで健康面の効果がこんなにも期待できるのです。
⑦カロリー調整が自由自在
ダイエットの必要な愛犬のために手作りご飯を作っている飼い主さんもいます。
ドッグフードの量を減らすと愛犬の満足感が得られず、愛犬にとってストレスになってしまう場合もありますが、
手作りであれば、野菜を多くしてお肉を減らしたり、水分を多くして満腹感を得させるなどの工夫ができます。
見た目の量はそのままでカロリーダウンということが可能なので、ストレスを最小限にダイエットに取り組むことができますね。
逆に、食が細く十分な栄養がとれないわんちゃんにも、少ない量で効率的にカロリーを摂取できるレシピを作ってあげることもできます。
手作りご飯を愛犬に与えるデメリット
続いて、愛犬の食事を手作りご飯にした場合のデメリットをみていきましょう。
- コストや手間がかかる
- アレルギーを起こす可能性がある
- 給餌量がはっきりせず、栄養が偏りがち
- 保存がきかない
- 歯垢がつきやすい
- ドライフードを食べなくなる可能性がある
①コストや手間がかかる
愛犬にご飯を手作りする上での最大のデメリットはやはり、コストと手間ではないでしょうか。
ドッグフードだと、購入したものをお皿に入れ、食後に洗い物をするだけの愛犬の食事ですが、
ご飯を手作りするとなると、メニューを考える→食材を購入→作るという、人間の食事同様の時間と手間がかかってしまいます。
また、手作りご飯を考えるのは、「愛犬の食の安全を守りたい」「病気の愛犬のためになるべく良い食事を与えたい」と考えている飼い主さんがほとんどだと思います。
もちろんそれ自体は素晴らしいことなのですが、その分、使う食材を完全無農薬・無添加・国産のものなどにこだわり、人間の食費よりも高くなってしまうこともあります。
時間や手間、経済的なコストを考えながら、生活の中にどう取り入れてバランスをとるかが課題になります。
②アレルギーを起こす可能性がある
これは手作りご飯だけでなく、ドッグフードにもいえることですが、「犬にとって安全」と言われている食材でも、わんちゃんの体質や体調によってアレルゲンとなる可能性があります。
特に手作りご飯の場合、一般的なドッグフードと比較して1種の食材を多く摂取することも多いため、更に注意が必要です。
愛犬にとって初めて食べる食材を食べさせる際には、必ず少しずつ食べてさせ、様子を見る必要があります。
③給餌量がはっきりせず栄養が偏りがち
手作りご飯を愛犬に与える場合、犬の栄養学をきちんと勉強して取り組まないと栄養が偏ってしまうことが多くあります。
総合栄養食と一般的に呼ばれているドッグフードは、わんちゃんの1日に必要な栄養やカロリーを専門家が計算し、それに沿って開発されています。
わんちゃんの体重に合う給餌量(供与量)が明記されていることも多いですよね。
しかし、手作りご飯は食材そのものの成分から栄養バランスを考えて、給餌量も飼い主さんが判断しなくてはいけません。
毎日の食事がしっかりと栄養バランスの整ったものでないと、病気や免疫低下など様々な体の不調に繋がってしまいます。
人間の食事と犬の食事はまったく別物と考えて、わんちゃんにとって栄養バランスの整ったご飯を手作りする必要があるのです。
この辺りが上手に管理できない飼い主さんもいるため、本来いいはずの手作りご飯を反対されている獣医さんも多いのです。
④保存がきかない
一般的なドライタイプのドッグフードは、未開封で半年〜2年、開封後も3ヶ月以上の賞味期限があることがほとんどだと思います。
手作りご飯の場合、そのようにはいきません。私たち人間と同じように食材や調理方法によってはその日中、もしくは翌日に食べきる必要があります。
もしくは、冷凍保存で作り置きなども可能ですが、雑菌やカビの繁殖にも注意が必要です。
⑤歯垢がつきやすい
これはウェットフードやジャーキーなどのおやつにもいえることですが、手作りご飯は水分を多く含む分、歯にくっつきやすく虫歯になりやすいと言われています。
わんちゃんによっては歯のチェックや歯磨きが必要かもしれません。
⑥ドライフードを食べなくなるリスクがある
愛犬に手作りご飯を与える上での1番のリスクは、手作りご飯以外のものを食べなくなってしまう可能性です。
もしも愛犬が手作りご飯しか食べなくなってしまった場合、何らかの事情で飼い主さんが長期間家を空けなければならないときや、
災害などの緊急時でもドライフードを受け付けないことで絶食してしまい、命の危険にまで繋がることもあります。
100%手作りご飯にするのではなく、ドライフードと1食ずつ交互に置き換えたり、6:4で混ぜるなどして、ドライフードも食べるよう工夫をしておいた方が安心でしょう。
ご飯を手作りする際に注意したい、量や栄養価など
続いて、以上のデメリットを踏まえた上で、愛犬にご飯を手作りする際の注意すべき項目をみていきましょう。
- 使用する食材
- 与える量と栄養バランス
- 味付け
- 保存方法
- 緊急時のリスク回避
注意点に関する詳細は別の記事で説明しています。
実際に愛犬に手作りご飯をあげている人の実体験や作り方なども気になります・・・。
それでは次は、実際に手作りご飯を愛犬にあげている飼い主さんのブログやレシピブログを見ていきましょうか!
簡単でわかりやすい!犬用手作りご飯の作り方レシピブログ集
続いては、犬用手作りご飯の具体的な作り方やレシピを紹介しているブログやサイトをご紹介していきたいと思います。
実際に愛犬に与えている方が書いているものなので、安心してトライできますね。
手作り犬ご飯グーわん
URL:https://inu-gohan-goodone.com/category/recipe
小学生の頃からお母様が手作りご飯を愛犬にあげていて、現在もフレンチブルドッグの愛犬にご飯を手作りしているというmicuさんのサイト。
材料や作り方の工程が写真付きでかなり詳しく紹介されており、簡単でわかりやすいレシピを綴られています。
また手作りご飯のレシピ以外にも、犬の食に関する雑学、愛犬家なら知りたい話などがわかりやすく書かれているので非常に参考になります。
obabaのブログ
URL:https://aiando.com/category/dogmeals/
わんちゃんの手作りご飯教室やペット食育協会の指導士などもされている、ペット食育協会®︎指導士のobabaこと安藤愛さんのブログ。
ペットの食育(犬のご飯や健康のこと)を中心に、4頭のミニチュアダックス達の暮らしや安藤さんの考えなどが綴られたブログです。
ペット食育のプロである視点から、愛犬思いな手作りご飯や食育に関することが書かれているので非常に勉強になります。
ちなみにインスタグラムにも毎日の手作りご飯が更新されています。
チワワ~ズと手作り犬ごはんブログ
URL:https://ameblo.jp/andy-heidi/
ペット食育協会®︎上級指導士であるハイジママさんのブログ。女子栄養大学の食生活指導士2級もとっていられます。
ペットの食育(犬のご飯や健康のこと)を中心に、チワワ3頭との暮らしや手作りご飯の簡単レシピ、犬の食生活に関するハイジママさんの考えが綴られたブログです。
プロの視点から、愛犬思いな手作りご飯やダイエットご飯、手作りご飯の疑問など様々な食育に関することが書かれているので非常に勉強になります。
俺様たちのごはん〜犬の手作りごはんレシピ〜
URL:https://ameblo.jp/oresamatachi/
ペット食育指導士・ペット栄養管理士・愛玩動物救命士であるちゅうさんのブログ。
簡単に作れる愛犬たちの毎日の手作りご飯が紹介されています。
内容は材料ときれいな写真とざっくりしていますが、冷蔵庫の残り物を使ったレシピなど気軽に始められるメニューが多いのが特徴です。
Klastyling ー 暮らす+スタイリング「簡単手作り犬ごはん!ジップロックで作り置きレシピ」
URL:https://klastyling.com/2017/05/70755590/
こちらは犬の手作りご飯専門のサイトではなく、他の記事ではわんちゃんに関する情報はほとんど取り扱っていませんが、
犬ごはん先生で有名ないちかわあやこさんおすすめの簡単レシピがわかりやすく写真付きで紹介されている記事です。
通常、いちかわあやこさんの手作りご飯のレシピは公式サイトからオンラインブックのWebサービス『note』で有料で購入する必要があります。
ちなみに、無料で読むことのできるブログにもわんちゃんの食事や手作りご飯に関する役立つ情報がたくさん載っているので参考になります。
ブログURL:https://ameblo.jp/circus-blog/
またインスタグラムには、いちかわあやこさんの愛犬が手作りご飯を食べている可愛らしい写真がたくさん載っています。
腎臓・心臓・膵炎・膀胱炎・尿結石など病気の愛犬にやさしい手作り食事のレシピは?
続いて、腎不全などの腎臓病をはじめ、心臓病、膵炎、尿路結石、肝臓病、胆泥症、蛋白漏出性腸症などのわんちゃん向けの手作りご飯を考えていきましょう。
これらはいずれも犬のかかりやすい内臓疾患で、毎日の食事からも注意が必要になります。
こういった病気をきっかけに、毎日の食事を販売されているドッグフードから手作りご飯に変える飼い主さんも多いようですね。
順番に、それぞれの病気のわんちゃんにやさしい食事のポイントや手作りご飯で使用すべき食材などを見ていきたいと思います。
病気のときは必ず動物病院でみてもらい、食事も獣医師の指示に従うようにしましょう。
普段手作りご飯をあげている場合や、手作りご飯に変更したいときも事前に担当の獣医師に必ず相談しましょう。
犬の腎臓にやさしい食事を手作り|腎不全のためのご飯
まずは、犬の死因としても多い、腎不全など腎臓のことを考えた食事についてみていきましょう。
- リンの制限
- タンパク質の制限+良質なタンパク質をとる
- 塩分の制限
- 水分を多くとる
①リンの制限|腎臓にやさしい食事のポイント
リンには腎毒性があり、カルシウムと結合すると腎臓に蓄積されてしまうので、腎臓にダメージを与えてしまいます。
②タンパク質の制限|腎臓にやさしい食事のポイント
タンパク質は腎臓で分解しなければいけない窒素を多く含んでいます。
そのため、腎機能が低下した状態では窒素をうまく排出することが出来ず、体内に毒素が溜まってしまうので制限が必要です。
しかし良質なタンパク質は犬の健康に必要なので、窒素含有量の少ない良質なタンパク質をとるようにしましょう。
③塩分の制限|腎臓にやさしい食事のポイント
塩分は血圧を上昇させ、腎臓への血流量も上昇させることで、腎障害を悪化させる原因となります。
血圧を正常に保つためには、塩分の制限が必要です。
④水分を多くとる|腎臓にやさしい食事のポイント
水分が足りないと老廃物を尿として排出できず、体内に老廃物が溜まってしまいます。
必ず水分を多くとらせるようにしましょう。
また、健康な時は問題ありませんが、水道水は不純物が多いため、ろ過をする腎臓に負担が掛かってしまいます。
腎臓の悪いわんちゃんには、軟水がおすすめです。
腎臓にやさしい食事|手作り犬ご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、腎不全などの腎臓病の犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 鶏肉・豚肉
- 白米
- じゃがいも
- 卵
- カッテージチーズ
- 無塩バター
- スイカ
犬の心臓にやさしい食事を手作り|心臓病のためのご飯
続いて、特に高齢の犬に多い心臓病のことを考えた食事についてみていきましょう。
- 塩分の制限
- 脂肪分の制限
- ミネラルを多くとる
①塩分の制限|心臓にやさしい食事のポイント
食事の塩気が強いと、犬は水を多く取るようになります。
水を多く飲むと血液量が増えて心臓の負担が大きくなってしまうので、血圧を正常に保つために塩分を制限するようにしましょう。
②脂肪分の制限|心臓にやさしい食事のポイント
肥満は心臓に大きな負担がかかる大きな理由のひとつです。肥満にならないように脂肪分の制限が必要です。
③ミネラルを多くとる|心臓にやさしい食事のポイント
代謝を行うために必要不可欠な酵素の働きのサポートにはミネラルが必要です。
体内にしっかりした自然なミネラルバランスを十分な量のミネラルがないと、細胞を元気にする生命の基盤である酵素は働けません。
心臓にやさしい食事|手作り犬ご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、心臓病の犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 牛肉・ラム肉
- レバー
- 玄米
- 雑穀
- さつまいも
- 牛乳
- 脂分の多い肉
犬の膵臓にやさしい食事を手作り|膵炎のためのご飯
続いて、糖尿病の併発リスクや、重症化すると命の危険もある犬の膵炎、膵臓病のことを考えた食事についてみていきましょう。
- 糖質の制限
- 脂肪分の制限
- ミネラルを多くとる
①糖質の制限|膵臓にやさしい食事のポイント
膵炎の犬は、糖尿病の併発リスクが高いため、糖質・炭水化物を制限する必要があります。
特に、甘いものやスイーツ類は膵炎の犬に絶対に与えてはいけません。血糖値が上昇しづらい食事を意識しましょう。
②脂肪分の制限|膵臓にやさしい食事のポイント
膵炎の犬は、高脂血を抱えがちなため、脂肪分の制限が必要です。
また、低脂肪はもちろん、脂肪の質にも注意が必要です。
魚や一部の植物油に含まれるオメガ3脂肪酸などは積極的にとるようにしましょう。
③ミネラルを多くとる|膵臓にやさしい食事のポイント
代謝を行うために必要不可欠な酵素の働きのサポートにはミネラルが必要です。
体内にしっかりした自然なミネラルバランスを十分な量のミネラルがないと、細胞を元気にする生命の基盤である酵素は働けません。
膵臓にやさしい食事|手作り犬ご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、膵炎などの膵臓病の犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 鶏ささみ・鹿肉・馬肉
- じゃがいも
- かぼちゃ
- 白米
- キャベツ
- ブロッコリー
- 脂分の多い肉
犬の膀胱にやさしい食事を手作り|膀胱炎や尿結石のためのご飯
続いて、人間だけでなく犬の発症率も高い尿路結石や膀胱炎など、膀胱のことを考えた食事についてみていきましょう。
- マグネシウムやリンを制限
- 尿のpHを調整するようにする
- 水分を多くとる
①マグネシウムやリンを制限|膀胱にやさしい食事のポイント
結石は尿中のミネラルとタンパク質が結合することでできるため、原因となるマグネシウムやリンを制限する必要があります。
②尿のpHを調整するようにする|膀胱にやさしい食事のポイント
結石の種類により、尿を酸性にしたほうがいいのかアルカリ性にしたほうがいいのかが異なります。
獣医師の診断を受けてから判断を仰ぎ、pHを合ったほうに調整できる食材を選ぶようにしましょう。
③水分を多くとる|膀胱にやさしい食事のポイント
水分には、尿が濃くならないようにすると同時に、尿路に侵入した細菌を体外へ排出する効果があります。
必ず水分を多くとらせるようにしましょう。
膀胱にやさしい食事|手作り犬ご飯の食材
尿路結石は原因や種類により、理想とするpHが異なり、積極的にとるべき食材・避けるべき食材が異なります。
ここで一概に食材をおすすめできないため、獣医師の判断に従いましょう。
犬の肝臓にやさしい食事を手作り
続いて、「沈黙の臓器」とも言われ、特に病状があらわれにくい肝臓病のことを考えた食事についてみていきましょう。
- タンパク質の制限+良質なタンパク質をとる
- アミノ酸BCAAを多くとる
- カルニチンを多くとる
①タンパク質の制限+良質なタンパク質をとる|肝臓にやさしい食事のポイント
肝臓病の犬は、タンパク質に由来するアンモニアを解毒する能力が低下しているため、タンパク質の制限が必要です。
良質なタンパク質を必要最小量摂取することを基本とし、エネルギー源を炭水化物へシフトさせる必要があります。
②アミノ酸BCAAを多くとる|肝臓にやさしい食事のポイント
肝臓の機能が低下してアンモニアを解毒することができなくなると、代わりに筋肉が分解を担当します。
筋肉は肝臓のピンチヒッターとしてアンモニアを分解するさい、アミノ酸BCAAがどんどん消費されるため摂取が必要です。
③カルニチンを多くとる|肝臓にやさしい食事のポイント
カルニチンとは、脂肪の代謝やエネルギーの産生に不可欠な栄養素です。
肝臓は脂肪の燃焼が1番の仕事のため、肝臓の機能が低下している場合のサポート役として通常時よりも必要になります。
肝臓にやさしい食事|手作り犬ご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、肝臓の悪い犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 鶏ささみ
- 牛肉・ラム肉
- タラなどの白身魚
- きゃべつ
- パセリ
- ごま
- 豆腐などの大豆製品
- 納豆
- おやつ
- ジャーキー
胆泥症の犬にやさしい食事を手作り
胆泥症とは、胆汁が濃縮して変質し泥状になったもの(胆泥)が胆のうに貯留してしまう症状の病気です。
続いては、犬の胆泥症のことを考えた食事についてみていきましょう。
- 良質なタンパク質をとる
- カロリーを制限
- 脂肪分の制限
- グルコサミン・コンドロイチンをとる
①良質なタンパク質をとる|胆泥症にやさしい食事のポイント
実は、胆泥症の食事について、高タンパクと低タンパクのどちらがいいか、専門家の意見も別れているのが現状です。
これは、胆泥症は肝臓病など他の病気の併発リスクも高いためと考えられ、併発している病気によって低タンパクな食事を心がける必要があるからでしょう。
いずれにしても品質の高い良質なタンパク質をとるように心がけましょう。
②カロリーを制限|胆泥症にやさしい食事のポイント
胆泥症になると脂肪の消化がしにくくなるため、カロリーの制限が必要です。なるべく低カロリーの食事を心がけましょう。
③脂肪分の制限|胆泥症にやさしい食事のポイント
胆泥症になると脂肪の消化がしにくくなるため、脂肪分を制限する必要があります。
また、脂肪は、脂質代謝異常につながりにくいヘルシーな脂肪成分であるオメガ3脂肪酸などの不飽和脂肪酸を積極的にとるようにしましょう。
④グルコサミン・コンドロイチンをとる|胆泥症にやさしい食事のポイント
胆泥症は、グルコサミンとコンドロイチンの不足が原因大きな原因となるため、グルコサミン・コンドロイチンを多くとる必要があります。
またこのグルコサミンとコンドロイチンは犬の体内で生成することができないので、食べ物からとることが必須です。
胆泥症の犬にやさしい食事|手作りご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、胆泥症の犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 鶏むね肉・鶏ささみ
- 人参
- ほうれん草
- 大根
- きのこ類
- 脂質の多い肉
蛋白漏出性腸症の犬にやさしい食事を手作り
蛋白漏出性腸症とは、タンパク質が吸収されずに消化管内腔へ漏れ出し、低蛋白血症や浮腫をひきおこす病気です。
続いては、犬の蛋白漏出性腸症のことを考えた食事についてみていきましょう。
- 良質なタンパク質をとる
- 脂肪分の制限
①良質なタンパク質をとる|蛋白漏出性腸症にやさしい食事のポイント
蛋白漏出性腸症は、タンパク質が吸収されずに漏れ出してしまうため、吸収しやすい良質なタンパク質をたっぷりととることが必要です。
他の病気ではタンパク質の制限が必要となるものが多いですが、蛋白漏出性腸症の場合は食事は高タンパクにしなくてはなりません。
②脂肪分の制限|蛋白漏出性腸症にやさしい食事のポイント
蛋白漏出性腸症になると脂肪の消化がしにくくなるため、脂肪分を制限する必要があります。
また、脂肪は、脂質代謝異常につながりにくいヘルシーな脂肪成分であるオメガ3脂肪酸などの不飽和脂肪酸を積極的にとるようにしましょう。
蛋白漏出性腸症の犬にやさしい食事|手作りご飯の食材
これらのポイントを踏まえた上で、蛋白漏出性腸症の犬に手作りご飯を作る際、積極的に使いたい食材と、避けるべき食材をみていきまよう。
- 鶏ささみ・鶏むね肉
- タラなどの白身魚
- 白米
- じゃがいも
- ほうれん草
- ココナッツオイル
- カッテージチーズ
- 脂分の多い肉
腎不全や心臓病など病気の犬の手作りご飯についての注意
ここまで、犬に多い主な病気の食事についてみていきました。
腎臓や心臓などに疾患のあるわんちゃんにも手作りの食事はいいものとされ、推奨している本やブログなども最近は多くみかけます。
もちろん日々の食事はわんちゃんの健康にも直結するため、より質のいい食事を与えることは病気と闘う上でも大事なこと。
しかし体質や年齢、病気の度合いなどによってもそれぞれのわんちゃんに適した食事は異なる場合があるため、知識のないまま鵜呑みにしてしまうのは大変危険です。
病気のわんちゃんに手作りの食事を与えたいと思っている場合は、必ず担当の獣医師に相談し、指示を仰ぐようにしましょう。
まとめ:メリットデメリットや注意点を踏まえた上で安全に愛犬の手作りご飯をはじめよう!
大切な家族の一員である愛犬の食事。
原材料をすべて把握・栄養価やカロリーのコントロールもしやすい手作りご飯は安全で理想的であると考える飼い主さんも多いと思います。
しかし一見メリットだらけのように見える手作りご飯ですが、知識のないまま安易にはじめてしまうと、逆に愛犬の健康を脅かしてしまうことも。
愛犬の健康・幸せのために、時間や手間、コストをかけて愛情たっぷりのご飯を手作りするのですから、正しい知識を持った上で、安全なものにしてくださいね。
また、今は無添加でヒューマングレードの材料だけを使用した、安全で質の高いドッグフードなども多く販売されています。
無添加のおすすめドッグフードランキング20選!安い・国産・グレインフリー
こういったものも上手に取り入れながら、わんちゃんにも飼い主さんにも負担のないよう、無理せず手作りご飯をはじめてみてください。
人間とは違い、わんちゃんは自分で食べるものを選ぶことができません。
ドッグフードはわんちゃんの命に密接に関わる重要なことなので、しっかりと合うものを選んであげましょう。
他の飼い主さんの口コミや評判をチェックするのももちろん大切ですが、結局は自分の愛犬に合うかどうかが1番大切です。
日々の暮らしの中でなるべくコミュニケーションをとって、細やかな体調や体重の変化もみてあげてくださいね。
正しいドッグフード選びをして、わんちゃんと健康で素敵な暮らしを楽しみましょう。