日本だけではなく世界的にも人気な柴犬ですが、「しばけん」と「しばいぬ」のどちらの読み方も普及しています。
読み方が2種類あるのはどうしてなのでしょうか。
この記事では、「しばけん」と「しばいぬ」どっちの読み方が正しいのか、読み仮名について解説します。
ぜひ、知らない人に豆知識として披露してみてください。
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柴犬の正しい読み方は「しばいぬ」
柴犬の正しい読み方は「しばいぬ」で、日本の天然記念物としても「しばいぬ」の読み方が登録されています。
世界的にもしばいぬと呼ばれており、そのままローマ字表記で「Shiba Inu」や「Shiba」とも表記されるのが一般的です。
「しばけん」という読み方が生まれた理由
「しばいぬ」という読み方があるのに、「しばけん」という読み方が生まれた理由は、漢字の音読み・訓読みが関係しているといわれています。
そもそも漢字の組み合わせには、次のような決まりがあるので、決まりを基準にするとどう読むのか考えてみましょう。
柴犬のように最初の文字が「しば」で始まると、「しば」自体は訓読みのため「犬」も訓読みで「いぬ」という読み方になります。
合わせて読むと「しばいぬ」になりますね。
「しばけん」の読み方では、「しば」の訓読みと「けん」の音読みが組み合わさっているため、漢字本来の読み方とは異なるでしょう。
それでも「しばけん」という読み方が生まれた理由は、他にあります。
「しばけん」という読み方がメジャーな理由
「しばいぬ」という読みが世界的にも一般的であるのに、「しばけん」という読み方がメジャーな理由は、ずばり読みやすさです。
日本人にとって「しばけん」の方が読みやすい人がいるため、普及したと考えられます。
例えば、盲導犬や警察犬の読み方では「いぬ」と読まずに、「けん」と読みます。
盲導犬と同じ読み方で、しばけんの方が読みやすかったのでしょう。
文部科学省の外局「文化庁」での登録名は「しばいぬ」
文部科学省の外局「文化庁」には、史跡名勝天然記念物として「しばいぬ」が登録されています。
しばけんは登録されておらず、正式な名前は「しばいぬ」だとわかりますね。
犬関連の一般社団法人での柴犬の読み方は「しば」
犬関連の一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」での柴犬の読み方は「しば」です。
「しば」と省略された読み方はあまり聞き慣れませんが、海外では「Shiba」と呼ばれることがあります。
「しば」は「小さい犬」や「小さいもの」を示す意味で使われており、小動物の狩猟犬として活躍した歴史とも関係があるでしょう。
秋田犬も正式な読み方は「あきたいぬ」
柴犬と同様の日本犬である秋田犬も、正式な読み方は「あきたいぬ」です。
秋田犬保存会の読み方も、「あきたいぬほぞんかい」であるため、「あきたいぬ」が伝統的な読み方だとわかります。
しかし、「あきたけん」の使用率は高いため、伝統的な「あきたいぬ」の2つの読み方で読めるように、どちらも尊重されているのです。
柴犬は国の天然記念物に指定されている
柴犬は「しばいぬ」として国の天然記念物に指定されています。
天然記念物は国の財産として、守っていくべきものです。
柴犬の他にも該当する犬種は5種類あります。
- 四国犬
- 紀州犬
- 甲斐犬
- 北海道犬
- 秋田犬
中でも、甲斐犬の場合は体格の違いで「鹿犬型」「猪犬型」の2種類の犬がいますが、「猪犬型」は絶滅したといわれています。
伝統的な日本の犬種を後世に守っていきたいですね。
柴犬に関するよくある質問
柴犬に関するよくある質問を4つ紹介します。
柴犬と豆柴ってどう違うの?
柴犬と豆柴は、成犬の体の大きさで決まります。
柴犬のオスの場合は、体高38〜41㎝、体重8〜11kg、メスの場合は体高35〜38cm、体重6.8kg〜9kgが一般的です。
一方で豆柴の場合は、体高が30〜32㎝、体重が4〜6kgとなり、柴犬よりも小さめとなります。
かつては物を測る際に尺を単位としており、一尺(30.3cm)を目安に分類されていた歴史的な背景も読み取れるでしょう。
柴犬の値段相場は?
柴犬の値段の相場は、ブリーダーから購入する場合10万円から45万円程で、平均20万円程です。
ペットショップでは、6万円から30万円程が相場となっており、平均10万円になります。
入手先で値段が異なるため、お気に入りの柴犬を納得ができる値段で購入できると良いでしょう。
また、3月から5月は、購入者の購買意欲が上昇する点と、繁殖が落ち着く時期の関係で値段が高くなりがちです。
春から秋が繁殖が盛んな時期になるため、購入のタイミングも注意すると良いでしょう。
柴犬は小型犬?中型犬?
日本犬保存会の定義では、柴犬は小型犬と認められています。
一般的な小型犬より大きいイメージがある柴犬ですが、「日本犬の中で随一の小型犬種」として位置づけられており、小型犬として認知されているのです。
トイプードルやポメラニアンのような他の小型犬と比べると大きめですが、秋田犬のような日本犬と比べると小柄ですね。
柴犬の名前の由来って?
柴犬の名前は、中部山岳地方での歴史が由来に関係しているという諸説があります。
そもそも、柴犬は大きなくくりとして呼ばれている名前で、分類していくと実は地名が含まれた地域特有の柴犬も存在します。
- 美濃柴犬
- 縄文柴犬
- 信州柴犬
- 山陰柴犬
それぞれの地名によって毛色や尻尾の巻き方、顔の違いなどがあり、総合的に見て標準的な見た目の犬を柴犬と読んでいるのです。
また、食料難や病気を理由に柴犬の絶滅が想定された第二次世界大戦の時期では、美濃柴犬や信州柴犬などの違う産地の犬を交配させて、柴犬を後世に残しました。
柴犬の絶滅は逃れられたものの、それぞれの地域特有の柴犬らしさがなくなり、今の柴犬ができた歴史があるのです。
まとめ
柴犬には「しばいぬ」と「しばけん」の読み方がありますが、正式な名前は「しばいぬ」だと紹介しました。
古くから人々の親しみやすい読み方で、「しばいぬ」や「しばけん」と愛されてきたのです。
また、天然記念物に登録されている柴犬は、かつては地域特有の柴犬が存在していましたが、絶滅が心配され、各地の柴犬を交配させて今の柴犬が存在しています。
名前から柴犬のルーツを探ると、日本の歴史や大切に守られてきている背景がわかり、さらに柴犬が可愛く見えますね。
購入を検討されている飼い主さんも、お気に入りの柴犬を見つけてくださいね。